引き続き組織の心理的安全性を高めるために「何をやめるか」を考えて行きます。
今回もアメリカのExecutive CoachであるMarcel Schwantesがまとめた「やってはいけないマネジメント」からの引用です。
やってはいけない(その4)は「信頼の欠如」です。
これは前回のコラムでお伝えした「メンバーの価値を大事にしない」ことの原因の一つと考えています。
ちなみに前回のコラムでは、「マイクロマネジメント」や「耳を傾けない姿勢」などのやってはいけないことをやってしまっている根本の一つは、この「メンバーの価値を大事にしない」に依るものだとお伝えしています。
ということは、全ての元凶は「信頼の欠如」に起因していると考えることができます。
ところで、マネージャーはそんなにメンバーを信頼できていないものなのでしょうか?
人材派遣・人材紹介のマンパワーグループによる調査では、中間管理職の約8割が部下を信頼しているそうです。
調査結果のサマリーには、信頼できる/できないの理由も明示されています。
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・信頼できる部下は「仕事の目的を理解している」
・信頼できない部下は「指示がないと動けない」、「責任感がない」
↓元の記事はこちら
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20200128.html
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現場のことを一番分かっているのは、最前線にいるメンバーです。
もちろんメンバーたちは全てが分かっている訳ではないかもしれません。
自分の関わっている領域について、自身の経験と知識の範囲での理解に留まっているかもしれないことは容易に推測が可能です。
そうした配慮もせずに「仕事の目的を理解していない」とメンバーを断じてしまうのは、逆にマネジメントとして失格だと言わざるを得ません。
調査結果の回答にも、以下のようなコメントが記載されています。
・仕事の目的を理解させるために、「毎週連絡会を行い、プロジェクトの進捗状況や新たな課題を確認している」(男性/59歳)など、教育・指導体制をつくっている
・「話しやすい関係を築くことで、お互いに都合が悪い情報も共有、意見が言えるようになった」(男性/45歳)など、コミュニケーションにおける工夫や体制づくりを行っている
自分はメンバーを本当に信頼しているか。
それは、メンバーが信頼に足る行動ができるように、絶えず働きかけているマネジメントかどうかの結果がもたらしているのです。
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