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執筆者の写真熊澤剛

アンラーニングとリスキリング。(その2)



社会に出るとアジアNo.1で学ばないという日本人。

企業の人材投資もわずか0.1%、アメリカの1/20。

学ばないから学ばない理由など考えていないという、何とも悲しくなる話を前回のコラムでお伝えしました。


でも、社会学的?に見れば学ばない理由は単純明快です。

学ぶ必要がないから学ばないのです。


いくら社会に出て学ばないといっても、皆さんが新卒で入社した時や、人事異動や転職で新しい仕事に就いた時は、それなりにいろいろなことを学んでいると思います。


それは何故か?

新しいことは学ばないと身につかず、身につかなければ仕事にならない。

そこに学ぶ必要があるから、人は学ぶのです。

言い換えると、人が学ばないのは、学びが必要となる新しいことがないから、となります。


いやいやそんなことはない、仕事上ではいろいろなことがあって、毎日が新しい経験ばかりだという方もいらっしゃるかもしれません。

確かに全く同じ日が続くことはあり得ませんが、問題はそこから学んでいるかということです。

経験することは必ずしも学ぶことではないのです。


学んでいない経験は単なる思い出です。

何か失敗をしてしまった時、次に同じ失敗をしないようにするのが学びです。

同じ失敗を繰り返して、昔も同じようなことがあったと語るのは思い出話です。


ここでは、新しい経験があっても、学びにつながるかどうかは別問題という課題提起があります。

それは、個人のとらえ方の違いも大きな要素ですが、新しい経験はよほどのことがなければ日常の仕事には影響しないという、仕事自体の安定性にも起因していると考えることができます。


以前に参加したWebinarで、早稲田大学の入山教授はこのことを「経路依存性」と説明されていました。

当たり前ですが、日々の仕事がどうなるかわからないなどといった会社はなく、様々な部門の様々な働き手が、自分の役割を果たすことで、会社は円滑に運営されています。


企業の安定運営には経路依存性は必要ですが、その結果もたらされる安定性が、働く人の学びの必然を奪うという、何とも皮肉な結果となっているのです。


では、企業が安定運営されていれば、働き手は何も学ばなくても問題ないのでしょうか?

そう言い切られると、なんか違う・・・となりますよね?


何に違和感があるのか、アンラーニングの話は次回のコラムに持ち越しです。

予告していたのにすいません・・・


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