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執筆者の写真熊澤剛

アンラーニングとリスキリング。(その4)



学ぶ必要がないから、学ばない。

学ぶ必要がないのは、変化がない(と思っている)から。

変化がない(と思っている)のは、企業の安定運営に経路依存性があるから。

経路依存性を打ち壊すには、リスキリングの前にアンラーニングが必要。


アンラーニング、どうもわかりにくい言葉ですよね。

日本語では「学習棄却」とか「学びほぐし」などの言葉が用いられていますが、それもどうかなと。


私は、一般的によく使われる「ゼロリセット」「ゼロから考えてみる」という言葉に置き換えてもよいと考えています。


さて、今皆さんが日々実施している業務は、どのようにそのやり方を獲得したのでしょう?

・入社時に研修を受けた

・マニュアルで自己学習した

・上司からOJTを受けた

業務を実施するにあたっての入口はこんな感じではないでしょうか?

でも、今日入社したばかりの新人が今の皆さんと同じ業務ができるようになるとは思えません。

では、足りないものは何か?


一番には、具体的な業務の経験です。

マニュアル通りのオペレーションで済むケースもあれば、イレギュラーだったり、組み合わせだったりと、実際の業務は千差万別です。


そうした具体的経験を通じて、上手くできたこと、失敗したことを反省します。

上手くできたことは次も再現できるように、失敗したことは繰り返さない為に何をしたらよいか、教訓を引き出します。

その教訓を次の新しい状況で試し、上手くいけば生かしていく。


こうした手順を繰り返すことで、業務の習熟が進むのではないでしょうか?


この「具体的経験」「内省的反省」「概念化・抽象化」「能動的実験」の4つのステップからなるサイクルを、デービッド・コルブは経験学習モデルと提唱しています。


さて、この経験学習モデルのステップの内で、アンラーニング=ゼロリセットすべき部分はどこでしょう?

そうです、「概念化・抽象化」の部分にメスを入れる必要があるのです。


概念化・抽象化から引き出される教訓は、どうしても個人や組織の過去の経験に依存しがちです。


先人の成功や失敗の体験から得られた貴重な教訓が間違っているはずがない。

そんなことを改めてゼロから考えるなんて非効率。


そう思ったあなたは、アンラーニングの必要があると言わざるを得ません。


過去の経験から得られた教訓が「今でも」本当に有効なのか?

そもそもそれは教訓なのか、自分の思い込みである可能性はないのか?


アンラーニングの第一歩目、それは自己の業務を見つめなおすことです。

内省=メタ認知を得ることで、自分の弱点ばかりでなく、強みも改めて見出すことができるでしょう。


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