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コミュニケーションと心理的安全性(その2)

執筆者の写真: 熊澤剛熊澤剛


心理的安全性を向上させる為のマネジメント手法が功を奏した話を聞いたことがないのは何故か?

今回はこの心理的安全性について深堀していきます。


心理的安全性は、組織やチームにおいて、メンバーが安心して意見を出し、新しいアイデアを試み、失敗を恐れずに成長できるような環境のことです。有名なGoogleの研究でも、チームのパフォーマンスに最も影響を与える要素として挙げられています。

このことにより、心理的安全性の高まりは、イノベーションを促進し、従業員のエンゲージメントを高め、ひいては組織全体の成功に繋がるとされています。


心理的安全性を構成する要素はいくつかありますが、ここでは、エドモンドソン教授が提唱した5つの要素を中心に解説します。


1.無知だと思われることを恐れない

・安心して質問できる雰囲気:メンバーは、自分の知識が不足していると感じても、気軽に質問できる環境であることを意味します。

・新しいことを学ぶ機会: 積極的に新しい知識やスキルを吸収しようとする姿勢を促します。

・成長を促す文化:組織全体で学びの文化を醸成し、メンバーの成長を支援します。


2.無能だと思われることを恐れない

・失敗を恐れずに挑戦できる:失敗を恐れることなく、新しいことに挑戦できる環境であることを意味します。

・試行錯誤を奨励:失敗から学び、改善していくことを奨励します。

・成長マインドセット:成長マインドセットを持つことで、困難な状況でも諦めずに努力を続けられます。


3.邪魔をしていると思われることを恐れない

・意見を自由に発言できる:自分の意見を自由に発言し、議論に参加できる環境であることを意味します。

・多様な意見を尊重:異なる意見や視点を持つメンバーを尊重し、多様なアイデアを創出します。

・チームワークを重視:チーム全体で目標達成を目指し、協力し合います。


4.ネガティブだと思われることを恐れない

・建設的な批判ができる:問題点や改善点などを率直に指摘できる環境であることを意味します。

・改善に向けた議論:問題解決のために、建設的な議論を行うことができます。

・継続的な改善:組織全体の改善を目的として、積極的に意見交換を行います。


5.強情にならない範囲で自信や信念を持つ

・自分の意見を主張できる:自分の意見を自信を持って主張できる環境であることを意味します。

・客観的な視点:客観的な視点を持って、自分の意見を評価し、必要であれば修正します。

・バランス感覚:自信と謙虚さを両立させ、チーム全体のバランスを保ちます。


これらの5つの要素を満たす為に、何をしたらよいのでしょう?

私は全てリーダーの日常の行動が非常に重要と考えます。

リーダーが率先して、心理的安全性の高い以下の行動を示すことが求められるのです。


1.オープンなコミュニケーション

・率先して意見を出し、メンバーからの意見を積極的に聞き入れる。


2.多様性の尊重

・異なるバックグラウンドを持つメンバーを尊重し、多様な意見を歓迎する。


3.失敗を恐れない姿勢

・失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、メンバーにその姿をみせる。


4.感謝の気持ちを伝える

・メンバーの貢献を認め、感謝の気持ちを伝える。


5.定期的なフィードバック

・メンバーにフィードバックを行い、成長を支援する。


心理的安全性を高めるのは、このような組織の最小単位毎のコミュニケーションなのです。

タウンホールミーティングなどの取り組みが心理的安全性の向上に寄与しないのは、参加しているメンバーが自分事として捉えることができないからと言い換えてもよいでしょう。


次回はこのコミュニケーションについて深堀したいと思います。

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