熊澤剛
デザイン思考とは何か。(その2)

DXを実現する為に期待されている方法論の一つである「デザイン思考」。
そもそも、何故DXの核となる「ビジネス変革」が求められるようになったのでしょうか?
それは、情報技術の進歩でビジネスの環境が大きく変わったことに起因しています。
かつて日本は「ものづくり大国」と言われていました。
より品質のよいものを、より低価格で、十分に提供することがビジネスの価値とされていました。
その後ものづくりの拠点は、より安い労働力を求めて海外に移り・・・といった産業空洞化の流れは置いておいて、先のビジネスの環境というのは、「ものづくり」から「ことづくり」への変化を指しています。
ユーザーは既にいろいろなものに満たされており、なおかつインターネットやスマートフォンといった情報技術を得て、自ら必要なものを求めて動くようになりました。
そんな世の中では、よいものを安いものを作るだけではビジネスにならず、ユーザーの視点に立ち、ユーザーへ「こと」=体験を提供できなければならない世の中に変わってしまったということが、ビジネス変革が求められる背景なのです。
デザイン思考とは、このユーザーの体験を作る視点であり手法であると考えられているのです。
次回は、デザイン思考を支えている思想について、その要素を深堀してみたいと思います。