デザイン思考でユーザーの体験を作る5つのプロセスについて解説しています。
1)観察・共感
2)課題定義
3)発案
4)プロトタイピング
5)検証
プロトタイピングには、アイディアの見える化による効率化や、早期に失敗できるメリットがあり、結果として大きな失敗を避けられることをお伝えしました。
5)検証
プロトタイピングと検証を繰り返すことで、最終的な成果物の品質や精度を高めることができます。
ところで、検証とは何を検証しているのでしょう?
そうです、プロトタイピングで見える化した「仮説=アイデア」です。
発案のプロセスでは、数多く出したアイデアを絞り込む際には、その粒度を揃えることが具体化することであるとお伝えしました。
なので、発案の結果で複数のプロトタイピングを作成することとなった場合、どれも同等の具体性を持っている状態にあることとなります。
こうした状況では、検証すべき項目が増えすぎてしまうことがあります。
せっかく洗い出したアイデア、全て検証してみたいのはわからないでもありませんが、その為には多くのリソースが必要となり、時間もかかる為、市場への投入タイミングもどんどん遅くなってしまいます。
そこで、プロトタイピングでもお伝えした通り、予め検証する内容に優先順位をつけることが必要となります。
優先順位をつける観点については、以下の2点をおすすめいたします。
1)ユーザーへの影響度
2)自社にとっての既知・未知
影響度が大きく、自社にとって未知の領域のアイデアについては優先的に、その逆については余裕があればというように、それぞれのアイデアに対して優先順位をつけることで、仮説検証のサイクルを早く回すことができます。
さて、これまで7回に分けて「デザイン思考」について解説して参りました。
デザイン以外のビジネスに用いることで、ビジネス変革ができると期待されている理由がわかりましたでしょうか?
私は、従来からある「マーケットイン」の考え方を、体系的プロセスで実現しているのがデザイン思考だと捉えました。
逆説的に言えば、徹底的にユーザーの立場に立って考えるその方法が、デザイン以外のビジネスには無かったということなのかもしれません。
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