ここのところ毎日のようにニュースとなるマイナンバーカードの不具合問題。
業務委託先のヒューマンエラーと報道されていますが、有識者による真因分析(Cause Root Analisys:CRA)が実施されるべき問題と考えています。
この問題以外にも、幼稚園バスでの園児置き去りや、原発の書類持ち出しなど、様々なヒューマンエラーを目にすることが多くなっているような気がします。
こうした事象に対し、一番ダメなエラー対策は、「気を引き締める」「しっかりやる」という類の精神論です。
こうした話を大臣や官房長官がするようでは、ツッコミを入れずに報道するマスコミも含めて亡国の危機と言えます。
そんな危機感から、久しぶりにヒューマンエラー撲滅の為の考え方について復習したいと思います。
エラー対策は、大きく組織的な対策と、個人的な対策の2つに分けて考えます。
組織的な対策とは、より安全な機器の導入や、現実的な目標設定など、エラーをより起こしにくい作業環境の整備に資するものです。
個人的な対策とは、認知や気付き、能力の向上など、教育などを通じて作業する人にフォーカスした対策を指します。
エラー対策を有効なものとするには、先ずは組織的な対策を打ち、次に個人的な対策を施すという順番があります。
車が壊れているのに、事故を起こさないよう運転手に指導しても意味がありません。
冒頭に示したヒューマンエラー=しっかりやるという対策は、エラー対策の順番としても間違いなのです。
組織的なエラー対策には更に以下のステップがあります。
①やめる(なくす)
②できなくする
③わかりやすくする
④やりやすくする
個人的なエラー対策のステップは以下の通りです。
⑤知覚させる
⑥予測させる
⑦安全を優先させる
⑧能力をもたせる
⑨気づかせる
その後にもう一度組織的な対策に戻ります。
⑩エラーを検出する
⑪被害に備える
次回は、組織的なエラー対策について詳細を解説したいと思います。
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