
前回の記事で、エラー対策には大きく組織的な対策と、個人的な対策の2つがあり、先ずは組織的な対策を打ち、次に個人的な対策を施すという順番があることをお伝えしました。
今回は、組織的なエラー対策の以下のステップについて、詳細を確認していきましょう。
①やめる(なくす)
エラーは業務に伴い発生するものなので、業務そのものをやめてしまえば、エラーは発生しないという考え方です。こうした考え方は「機会最小」といいます。
業務の見直しと同様、やめられる業務をやめるのが、組織的なエラー対策として最初にやるべきことです。
なるべくリスクの高い、エラーが起こりやすい業務を可能な限り減らしていくのです。
とはいえ、エラー防止の為に業務をやめるというのは本末転倒であり、現実的ではないでしょう。
業務そのものを全てやめるというより、業務の工程を見直したり、手作業を機械化したりなど、エラーの発生を低減させる工夫を施します。
②できなくする
エラーを防止する為にエラーができなくする、フールプルーフ(バカ除け)という考え方です。
これは日常生活にもわかりやすい仕掛けがあります。
・洗濯機は蓋を閉じなければドラムが回転しない
・自動車はブレーキを踏んでいなければエンジンをかけられない
設計や計画の段階で、エラーがおきないように工夫することが大切です。
③わかりやすくする
エラーは複雑な状況や人間の認知能力を超えるような場面で誘発しやすくなってきます。
そのため、可能な限り業務をわかりやすくすることが重要です。
エラーを誘発する可能性がある状況を、わかりやすく簡単にすることによって簡単なミスやエラーを回避できます。
逆にわかりにくい状況は認識や判断を誤らせ、エラーを起こしやすくなります。
④やりやすくする
やりやすくするは「③わかりやすくする」と連動性があります。
わかりやすい状況がやりやすい環境になるということです。
・重い物を運搬する際は台車を使う
・作業に見合った照明器具を準備する
業務をわかりやすく、やりやすくする為に有効な手段は整理整頓です。
やりにくい状況を我慢するのではなく、創意工夫によってやりやすい環境づくりをしましょう。
いかがでしょうか?組織的なエラー対策についてイメージが持てましたでしょうか?
次回は個人的な対策について、解説していきたいと思います。
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