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  • 執筆者の写真熊澤剛

プロジェクトマネジメントは難しくない(その2)。



当地北海道でも今年の酷暑の影響を受けて、秋の訪れや紅葉に変化を来しています。

紅葉するまでが遅く、または紅葉せずに一気に枯れて落葉してしまう木々が多いように思われます。

また、今年は同じく酷暑の影響で、雪虫の異常発生に悩まされました。

せっかく良い季節なのに、窓を開けてドライブすることは叶いませんでした。


さて、プロジェクトマネジメント(以下PMとします)について、前回でお伝えした基礎を踏まえて、今回から実践編に入りたいと思います。


PMでやることは大きく3つです。

1)全体像を決めて明文化して周知する

2)やることを分解してスケジュールを決めること

3)進捗管理、課題管理をすること

これらについて、詳細を紐解いていきましょう。


1)全体像を決めて明文化して周知する

プロジェクトとは、何らかの目的・目標を期限内に達成する為の活動であるとお伝えしました。

なので、最初にやることは、これから始めようとしているプロジェクトの全体像を、プロジェクト内外の人にわかるように明文化して知らせることです。

ポイントは、「あまり時間をかけない」ことと「絶えず周知すること」にあります。


ちなみに目的と目標は同じようなものとして取り扱われることが多いのですが、意味するところは異なります。

目的はその言葉の成り立ちの通り「目で見える的」、すなわち最終的に目指す場所です。

目標は、同様に「目で見える標(しるべ)」すなわち、目的に至るまでの通過点です。

登山に例えれば、目的は山頂まで登ること、目標は五合目とか八合目にある山小屋とイメージすればわかりやすいですね。


全体像とは、この目的、目標、期限をまとめたものを指しています。

こう表現するとわかったようなわからないような・・・なので、ここからは、前回同様に料理で例えて行きましょう。

「今日の夕食に焼きそば4人前を作る」とか、「明日の夜までにイタリアンのコース2人前を作る」とかが、全体像になります。


もちろん、もっと具体的であれば、それに越したことはありません。

海鮮焼きそばなのか、あんかけ焼きそばなのか、コースのメインは肉と魚の二品なのか、明日の夜とは18:00なのか・・・


ただ、この具体性を高める為に、あまり時間を割くのは得策ではありません。

経営計画のように年単位というスパンでPDCAを厳格に回すのであればともかく、VUCAな世の中の多くのプロジェクトは、先ずやってみること=OODAで進めることが肝要です。

全体像をあれこれ細かく考えているうちに、プロジェクトをとりまく状況が移り変わってしまい、あっという間にその像が色あせてしまうからです。

「あまり時間をかけない」ことがポイントになっているのは、昨今のスピードが求められる社会に合わせてのことだとだとご理解いただければと思います。


また、上手く行かなかったプロジェクトの中盤ごろからよく聞かれるワードが、「私は知らない、聞いてない」「こんなものだとは思わなかった」なのです。

これも、料理に例えて、家族に「今日の夕飯は焼きそばだ」と言っておくこととすればわかりやすくなります。

家族(=全体)に伝えることで、「聞いてなかったからランチに焼きそば食べちゃった」とかを防止することができます。

また、「この間は塩だったから、今日はあんかけ焼きそばがいい」などのリクエストを受けることで、全体像のイメージのずれを補正することができます。


いわゆる全社プロジェクトなどの大型のプロジェクトほど、プロジェクト内外のこうした齟齬が起きやすくなります。

全社という看板の御威光に社員はみな従うものだと勘違いしてはいないでしょうか?

親の言うことを子供がきかないのは日常茶飯事ですよね?

「絶えず周知すること」とは、全体像のお披露目はもちろん、その後の進捗や変更点なども含めて、こまめに周知することで、プロジェクトを成功に導く秘訣でもあるのです。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトメンバーとそれ以外の人には、プロジェクトに対する熱意や関心に大きな温度差があることを肝に命じておきましょう。


PMで最初にやることについて、イメージは付きましたでしょうか?思ったより簡単ですよね?

次回は 2)やることを分解してスケジュールを決めること について解説して行きます。

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