
前回、PMでやることは大きく以下の3つと述べさせていただきました。
1)全体像を決めて明文化して周知する
2)やることを分解してスケジュールを決めること
3)進捗管理、課題管理をすること
今回は、2)やることを分解してスケジュールを決めることについて解説して行きます。
プロジェクト活動に携わったことがある人は「WBS」というのを聞いたことがあるかも知れません。
Work Breakdown Structureの略で、日本語では作業分解構成(図)と言われています。
また、ガントチャートという言葉も聞いたことがあるかも知れません。
ガントは考案したヘンリー・ガントの名前から名付けられているそうです。
いずれも、2)を円滑に進めるための道具だと理解していただければと思います。
やることを分解するには、先ず現状をよく把握しなければなりません。
やきそばを4人前、1時間以内に作るには、先ずは冷蔵庫の中身の把握=現状把握です。
やきそば用の麺はあるのか?具になるものは?調味料は?誰の手が空いてるのか?
必要なものがなければ、調達しなければなりません。
どこで手に入るのか?所要時間(=納期)は?予算は?
プロジェクトにおいて、材料やお金などのリソースは、全体像を決める事態で考慮すべきものです。
もちろん事前に調査はしているのでしょうが、これを前提として鵜呑みにするとプロジェクトは躓きます。
事前調査の前提条件を確認し、疑わしいものは再度調査することも「やること」に含めるべきです。
焼きそば4人前だけど予算は300円だったら、具がない焼きそばになってしまいます。
料理できる人が誰もいなければ、カップ焼きそばになります。
それが全体像として容認できないのであれば、予算や人員は全体像に合わせて再検討を依頼しましょう。
全体像を実現するにあたり、リソースに問題がないことを確認できれば、次は「やること」の分解です。
この分解の粒度をどうすべきか?とよく質問を受けることがありますが、ざっくり開始と終了がわかる単位でよいのでは?とお答えしています。
例えば、「やきそばの具材を買う」と考えた時に、更に細かくすると以下のタスクが考えられます。
・何をどのぐらい買うのかを決める
・どこで買うのかを決める
・誰がいつ買いに行けるのかを決める
・必要なお金を受け取る
・買いに行く手段を決める
・買いに行く
・お金を精算する など
初めてのお買い物だったら、このぐらい細かく分解して、それぞれに期限を決めてもいいですね。
逆に、全体が一連のタスクとしてプロジェクト内で共通認識を得られているなら、1つのタスクでもいいかもしれません。
お金を受け取る(=予算執行)にあたり、上位者の承認が必要であれば、そこまでを区切りとして1つのタスクとするのが、遅延を防ぐには望ましいものと考えることができます。
こうした、「何を」「いつまでに」「誰が」を決めて、各自が自律的に動けるように、各自の動きが共有できるようにすることが、プロジェクトマネジメントの2つ目の肝なのです。
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