PMでやることについて、これまで1)と2)を解説してまいりました。
1)全体像を決めて明文化して周知する
2)やることを分解してスケジュールを決めること
3)進捗管理、課題管理をすること
今回は、3)進捗管理、課題管理をすることについて解説して行きます。
先ずは進捗管理ですが、前回解説したやることの分解とスケジュールの結果、出来上がったWBSやガントチャートを用いて行います。ポイントは大きく3点です。
1)定期的に行うこと
2)当初設定したスケジュールを絶対視しないこと
3)プロジェクト完了に影響する遅延が発生した場合は、全員に遅滞なくコミュニケーションすること
それでは、進捗管理の各ポイントについてご説明いたします。
1)定期的に行うこと
「スケジュールは遅滞なく進むもの」と考えている人は案外多いと感じます。
スケジュールはちゃんと進むようによく考えた上で組んでいるはずなので、進捗の確認なんて何かあったらでいいのでは?と思う気持ちもわからないでもありません。
ただ、プロジェクト上のタスクは、割り当てられたメンバーやグループが個々に遂行する為、以下のリスクを内包しています。
・担当していないタスクの進捗がわからない
・表面化していない遅延の可能性などに気が付けないことがある
・他のタスクとの依存関係があり、自他のタスクの遅延の影響がわからない
プロジェクトの進捗管理は、例え遅延などの事象が表面化していなくても、定期的に行うことにより、上記のリスクを早期に発見し、対応することができるようになります。
具体的には週次または隔週次ぐらいのタイミングで、予めスケジュール(WBS)に設定しておくか、曜日や時間を固定して会議招集をしておくなどをお勧めいたします。
2)当初設定したスケジュールを絶対視しないこと
上記と同様に、「スケジュールは計画を逸脱しないもの」と考えている人も多いと感じます。
しかしながら、大概のプロジェクトは、全てのタスクが計画通り進むというプランAしか立てられていません。
スケジュールに若干の余裕は持たせたとしても、それでは回収しきれないアクシデントが起こることもあります。
最近では、業務のIT化の計画が、PCやネットワーク機器の調達遅れという想定しない事由で大幅に遅延した例なども見受けられます。
当初の設定を絶対と捉えると、スケジュールを守ることが目的化してしまいます。
結果、十分なプロジェクト成果が得られなくなる可能性があり、これでは本末転倒です。
3)プロジェクト完了に影響する遅延が発生した場合は、全員に遅滞なくコミュニケーションすること
定期的な進捗確認を通じて、当初設定したスケジュールが守れない可能性が発覚したら、プロジェクトに関わる全員に遅滞なくコミュニケーションすることが大切です。
気を付けるポイントは「遅滞なく」ということです。
ともすると、計画を守る為にできることを探し回ることに没頭してしまい、時間ばかりが過ぎてしまうことがありがちです。
先ずはその可能性が発覚した時点で、マネジメント等のプロジェクトオーナーにヘッズアップしましょう。
また、プロジェクトオーナーの了承の上、遅延とそれに伴う計画の修正については、メンバーのみならず、プロジェクトに関わる全員にオフィシャルにコミュニケーションしなければなりません。
社内には、プロジェクトの完了とその成果を、自身の業務や自部門の計画に組み入れて考えている方々が多くいるのです。
プロジェクト遅延が噂話で先行したりすることの無いよう、こちらも可及的速やかに実施しましょう。
次回は、残りの課題管理について解説したいと思います。
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