昨年の後半より、組織変革をもたらす考え方の1つとして、フロー理論について取り上げて参りました。
ご興味のある方、思い出したい方は、過去ののBlog記事を是非ご確認下さい。
新しい年を迎え、現状打破や活性化を目指して、組織構成を変えようとお考えのリーダーもいらっしゃるかも知れません。
企業によっては、年次ではなく、非常に短いサイクルで人事異動や組織改正を行うところもよく見受けられます。
ところで、それは本当に現状打破に繋がっているのでしょうか?
組織の土台を強化しないままに、市場別や商品別などの組織の上物の配置だけを変えていることにはなっていないでしょうか?
既にご存知の方も多いかも知れませんが、Googleの社内調査の結果から生まれた「最高のパフォーマンスを発揮できるチームに見受けられる5つの要素」というものがあります。
Googleの人員分析チームの担当者は、スター選手だけを集めても優れたチームになるとは限らないと、分析結果を結論付けています。
最も重要な要素、それは「心理的安全性の状態」だとしています。
ハーバード・ビジネススクールのエイミー・エドモンドソンは、心理的安全性について、以下のように定義しています。
「チームのメンバー間による、このチームでは対人リスクをとっても安全であるという確信の共有」
エドモンドソンは2つの病院を対象にして、薬に関連するミスについての調査を行いました。
すると、指導力の高い看護師長や良好な関係性をチームにもたらす看護師長のいるチームほど、ミスの報告が多い傾向があることがわかったのだそうです。
リーダーシップの高いチームのほうがミスが多いとは、どういうことなのか?
優れたチームのほうがミスが多いのではく、ミスについて話し、ミスから学ぼうとする意欲が高く、結果としてミスを報告する割合も高くなったのです。
エドモンドソンはその後も多くの調査結果から、チーム内で意見やアイデアを出す、ミスを認める、疑問を投げかけるといったことを安心してできるとメンバーが感じていると、学習に積極的になり、チームとしてのパフォーマンスが向上することを明らかにしました。
では、どうしてチームの心理的安全性がチームとしてのパフォーマンス向上に必要不可欠なのでしょうか?
次回はそのメカニズムについてお伝えしたいと思います。
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