top of page

人的資本経営とは何か?(その9)

執筆者の写真: 熊澤剛熊澤剛


人的資本経営とは、人材を企業の成長の源泉となる資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営の在り方です。


今回は、「社員エンゲージメントを高めるための取り組み」について解説したいと思います。

社員エンゲージメントとは、社員が会社に対して強い愛着や帰属意識を持ち、自発的に仕事に取り組み、組織に貢献したいという意欲のことです。


よく似た言葉に「従業員満足度」がありますが、両者は異なります。

従業員満足度が、給与、福利厚生、労働環境など、会社から提供されるものに対する満足度であるのに対し、社員エンゲージメントは、 会社のビジョンや価値観への共感、組織への貢献意欲など、より主観的で感情的な側面が強いのです、


社員エンゲージメントを高める為の活動として、以下の5点が挙げられます。


1. ビジョンと価値観の共有

・企業理念の浸透

企業が目指す方向性や価値観を明確にし、全社員に周知徹底することで、社員一人ひとりが組織の一員としての自覚と誇りを持ち、目標に向かって一丸となって取り組むことができます。

・目標設定の共有

組織全体の目標だけでなく、個々の目標も明確にし、それが組織全体の目標にどう貢献しているのかを可視化することで、社員は自分の仕事が組織にとって意味のあるものであると実感し、モチベーションを高めることができます。


2. 成長機会の提供

・キャリアパス設計

社員一人ひとりのキャリアプランを支援し、成長できる機会を提供することで、社員は組織の中で長く働き続けたいという意欲を持ちます。

・教育・研修制度の充実

従業員のスキルアップを支援する教育・研修制度を充実させることで、社員は自己成長を実感し、組織への貢献意欲を高めることができます。

・異動やジョブローテーション

異なる部署や職種を経験させることで、社員の視野を広げ、新たなスキルを習得する機会を提供することができます。


3. 公平な評価制度

・透明性の高い評価制度

評価基準を明確にし、評価プロセスを透明化することで、社員は評価の公平性を認識し、モチベーションを維持することができます。

・成果だけでなくプロセスも評価

成果だけでなく、プロセスや努力も評価することで、社員は挑戦意欲を持ち、より良い成果を出そうとする意欲を高めることができます。

・フィードバックの充実

定期的な面談を通じて、上司から具体的なフィードバックを受けることで、社員は自分の強みや弱みを理解し、成長につながる行動をとることができます。


4. 働きやすい環境の整備

・ワークライフバランスの推進

残業削減やフレックスタイム制の導入など、社員が仕事とプライベートを両立できるような環境を整えることで、仕事への満足度を高めることができます。

・多様な働き方の支援

テレワークやリモートワークなど、多様な働き方を認めることで、社員一人ひとりの状況に合わせた働き方を可能にし、働きやすさを向上させることができます。

・健康管理への取り組み

健康診断やストレスチェックの実施など、社員の健康管理に力を入れることで、心身ともに健康な状態で仕事に取り組める環境を提供することができます。


5. コミュニケーションの活性化

・オープンなコミュニケーション

上司と部下、同僚間のコミュニケーションを活発化させることで、意見交換が円滑に行われ、問題解決や新しいアイデア創出につながります。

・情報共有の徹底

会社の情報を社員に積極的に共有することで、社員は組織への帰属意識を高め、安心して働くことができます。

・従業員満足度調査の実施

定期的に従業員満足度調査を実施し、社員の意見を聞き、改善に繋げることで、社員は組織に貢献しているという実感を持つことができます。


社員エンゲージメント向上は、一朝一夕にできるものではありません。継続的な取り組みを通して、組織全体で取り組んでいくことが重要です。


次回は、「時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取り組み」について解説したいと思います。

閲覧数:9回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


© 2018-2025 GiiD LLC.

  • Black Facebook Icon
bottom of page