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  • 執筆者の写真熊澤剛

人的資本経営とは何か?(その2)

更新日:1 日前




人的資本経営について、前回は、人材を消費する資源ではなく、企業の成長の源泉となる資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営の在り方がであるという定義について解説いたしました。


では、こうした考え方は、従来の人材管理とは何が違うのでしょう?

人材版伊藤レポートでは、経営戦略と人材戦略との連動という視点が最も重要であるとしています。


これは、従来の人材管理とは異なり、経営戦略を達成するために必要な人材を明確化し、採用・育成・評価・処遇などの各施策を体系的に取り組むことを意味します。

我流にまとめさせていただければ、人材戦略は人事が考えることではなく、経営が自らマネジメントすることだと言っているのです。


また、人的資本経営は、経営にとってプラスになるのでしょうか?

人的資本経営を進めることで、少なくとも以下の3点のプラスを想定することができます。


1) 従業員のエンゲージメントとモチベーションの向上

・従業員が自身の能力を活かし、成長を実感できる環境を提供することで、仕事への意欲が高まります。これは、生産性や創造性の向上につながります。


2)イノベーションの促進

・多様な人材が互いに協力し、新しいアイデアを生み出す環境を作ることで、イノベーションが促進されます。


3)企業価値の向上

・人的資本経営は、企業の長期的な成長と持続可能性にとって不可欠な要素であり、投資家や顧客からも評価され、企業価値の向上につながります。


人材版伊藤レポートには、人的資本経営を具体化するために実行に移すべき取り組みや、その実践ポイントや有効な工夫点などを以下の8つの項目で示しています。


1)経営戦略と人材戦略を連動させるための取り組み

2)「As is - To be ギャップ」の定量把握のための取り組み

3)企業文化への定着のための取り組み

4)動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用

5)知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取り組み

6)リスキル・学び直しのための取り組み

7)社員エンゲージメントを高めるための取り組み

8)時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取り組み


次の記事からは、これらの8項目について解説して行こうと思います。


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