
働く幸せ・幸せな職場とは、以下の2つの条件で成り立つとされています。
・幸せの条件を満たす
・不幸せの条件を満たさない
前野教授が導き出した幸せの条件を満たす4つの因子の内、「ありがとう!」
因子について、解説していきます。
「ありがとう!」因子とは、他者と積極的に接し、人に感謝することによって得られる幸せの因子です。
先の「やってみよう!」因子が自己実現、言い換えれば内向きの因子であることに対して、他社との関係性という外向きの因子ということができるかと思います。
前野教授は、たとえ無理やりでもいいから利他的に振舞うこと大切だと説いています。
「自分だけ幸福になりたいと思っても幸福にはなれません。他人を幸福にしたいという強い気持ちを持っている人のほうが幸福になるように私たちの心はできているんですね。
たとえ偽善でもいいんですよ。20ドルを自分のために使うグループと他人のために使うグループに分けて、どちらの方が幸福度が高くなるかを調べた実験によれば、後者の方が高くなった。実験であっても幸福度が上がったんです。
無理矢理でも利他的な行動をしていると幸福度がアップします」
この因子はオキシトシンやセロトニン型の幸福です。
「人助けをして喜ばれたら心がほんわり暖かくなる。人に親切にすると、その後なんだかとても気持ちがいい。これは幸福度が上がった状態だからです。」
どんなビジネスが「ありがとう!」因子の幸せが高いのでしょう?
内閣府の調査では、社会貢献をしている人ほど幸福度が高いという結果が出ているだそうです。
SDGsが近年注目されているのは、社会問題の拡大や深刻化ももちろんですが、その解決が自他の双方の幸せに繋がるというのも大きな側面ではないかと考えています。
社会起業(ソーシャルビジネス)には経済産業省が3つの定義を上げています。
・社会問題を解決するものであること
・利益を上げる事業であること
・新たなビジネスモデルであること
2点目の利益を上げるというのは、利益を株主などに還元するものではなく、次の社会的活動に投資して事業を継続させる為のものとされています。
自分がやりたいことが今一つ思い浮かばない時は、どうしたら他者の為になることができるかを考え、自己の振舞いを変えることが、「ありがとう!」因子による幸せの一歩なのかも知れません。
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