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最高のチームを作るには

  • 執筆者の写真: 熊澤剛
    熊澤剛
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分


これまでコミュニケーションと心理的安全性について述べてきましたが、Googleが行ってきた「最高のチームをつくる方法」の分析が、この話題を含んでいて興味深いのでご紹介したいと思います。


Googleのような超一流企業であっても、成果をあげる人がいる一方、なかなか成果が出せない人も存在するようです。

優秀な人材しかいないはずの会社で、なぜそのようなことが起こるのでしょう?


Googleでは社内のあらゆる部署を対象として、180チームを評価しました。

その結果、チームを構成するメンバーは重要ではないことが分かりました。

補足すると、メンバーの性格や背景、性別、経験、志向などの組み合わせには正解はなかったとのことです。

では、何が重要だったのでしょう?


リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。


そもそもチームは、複数のメンバーが分担しながら、仕事を計画し、課題を解消し、決断し、進捗をチェックする為に結成されています。

それ故、お互いに頼り合う部分が多く、それぞれのタスクを完遂する為にお互いを必要としています。

このようなチーム内の力学の方が、個々のメンバーのスキルや性格、背景や志向よりもずっと重要になるのです。


こうしたチーム内の力学に影響する因子とは何でしょう?

このリサーチ結果では、重要度の高い順に以下の5つを挙げています。


1)心理的安全性

心理的安全性が確保されていれば、実際にリスクを伴う行動をとった場合であっても、「無知」「能力がない」「和を乱した」といったレッテルを貼られるのでは、という恐れを抱くことがありません。


2)相互信頼

メンバー相互の信頼度が高いチームでは、それぞれの人が確実に、締め切りまでに質の高い仕事をやり遂げてくれます。そして、誰もが自分の仕事に真剣に取り組んでいます。

これに対し、相互信頼の低いチームのメンバーは責任を転嫁します。


3)構造と明確さ

職務上で要求されていること、その要求を満たすためのプロセス、そしてメンバーの行動がもたらす成果について、個々のメンバーが理解していることが重要となります。

Googleの「OKR」という手法は皆さんも目にしたことがあるかと思います。


4)仕事の意味

仕事そのもの、またはその成果に対して目的意識を感じられる必要があります。

「仕事の意味は属人的なもの」だともされています。


5)インパクト

自分の仕事には意義があるとメンバーが主観的に思えるかどうかは、チームにとって重要なことです。


いかがでしょうか?どれも納得が行く要素ばかりですね。

反対に、チームに対して意味がないものも以下のように特定しています。


・同じオフィス内で机を並べて働くこと

・合意に基づく意思決定

・期待、あるいは必要とされる仕事量

・チームの大きさ


「合意に基づく意思決定」はチームにとって大切では?と思われますが、心理的安全性から考えれば、意味がないことの説明がつきます。

チームメンバーが自分の意見を聞いてくれ、たとえ同意ができない場合でも、敬意を表してくれるという実感があれば、個々のアイデアや観点について意見が一致する必要はありません。

同様に、チームの決定に全面的に賛成できなくても、それを支持することはできるはずなのです。


また、チームの大きさと効率性にも相関関係はなかったそうです。

ジェフ・ベゾス氏が提唱してすっかり有名になった「2枚のピザ理論」(1つのチームの人数は、2枚のピザで賄える人数に抑えるべきだという考え方)は、チーム内の力学が上手く機能していれば関係ないということのようですね。


 
 
 

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