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  • 執筆者の写真熊澤剛

あるべき姿への変革の王道でつまづくこと。



前回のBlog記事でご紹介した変革へのショートカットは、様々なステークホルダー(関係者)との調整事が発生する為、トップの強力なリーダーシップがないと、その推進は難しいかと思われます。


また、業務の変革は、いきなり大規模に進めると、その分失敗のリスクも大きくなります。

とりあえず一部門、一部の業務からスモールスタートするというのが一般的かつ現実的かと思われます。


そうした一般的な変革における王道とは何でしょう?

急がば回れの言葉通り、先ずは地道に現状把握を行うことが、実は手戻りもなく一番早く変革に到達できる王道なのです。


それでは、現状把握で最初に確認すべきことは何でしょう?

それは、対象部門の「職務定義」を確認することです。

職務定義とは、組織や従業員が企業の中で何を担当しているのか、その役割責任を定めたものです。

Job Discription(JD)やRole & Responsibility(R&R)と言ったりします。


タイトルの「つまづくこと」は先ずここで発生します。

外資系企業は必ずこの職務定義がありますが、日系企業では殆ど定めてあった例を私は見たことがありません。


職務定義がないということは、その部門の担当業務は、過去からの経緯や、関連部門との調整、力関係で何となく決まっているということです。


その状態が変革を進めるに当たって何が問題となるのか?

その答えは2つあります。


1つ目は、「全体像がわからない」ことです。

全体像がわからなければ、対象部門に所属している全員に、自分が担当している業務を全て確認する必要があります。

現状把握の為の工数が増えるということです。


また、時間をかけて確認した現状が「正しい」のかどうかが分りません。

調査漏れがあれば、この後に検討する「あるべき姿」が無効となり、調査のやり直しといった手戻りを起こすことも在り得る訳です。


2つ目は、「どうあるべきかがわからない」ことです。

入力業務をシステム化したり、情報共有の方法を工夫したりという「業務改善」の要素は、現状把握から見出すことも可能でしょう。

でも、「業務変革」はあるべき姿に業務の在り方を変えていくことです。

そうした拠り所がないと業務変革は実施しようがないのです。


とはいえ、つまずいて終わりという訳には行きません。

もちろん職務定義はこれをきっかけに作成して欲しいのですが、それはそれで時間もかかります。


つまずきからどう立ち直るのかについては、次回のBlog記事で。

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