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  • 執筆者の写真熊澤剛

共通言語の獲得が難しくなったもう一つの理由。



共通言語は相互理解の礎、ワードと意味が一体となって、メンバーに等しく理解されていることが、チームや組織、企業が一体として機能する大前提なのに、その獲得は難しくなっていることをお伝えしてきました。


一つの理由が、前回お伝えした「多くの人に共通した体験」自体が少なくなっていること。

様々な言葉とイメージが様々なチャネルで爆発的に発信されており、人々はそれらを選択的に享受している状況において、同じ言葉が指すイメージが異なるのは必然とすら言えるのではないかとお伝えしました。


もう一つの理由は、共通言語の最初のコラムでのフレーズにあります。


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「そんなことは言わなくてもわかる」といった腹芸が通用したのは古の話、多様性が進んだ現代社会はそんなに単純ではないのです。

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多様性の進展は、よい影響をもらたした半面、個々の孤立をもたらしたと私は考えています。

自己のもつ価値観を大切に思うのと同じく、他者の価値観を尊重するという心構えが、他人からの干渉を受けたくない、他者に干渉したくないという消極性を帯びることで、他者への無関心につながっているということです。


結果、他者がどういう言葉をどういう意味で発しているのかに興味を持たなくなった、真意を知りたいという動機が薄れたことが、共通言語の獲得を難しくしているもう一つの理由だと私は考えています。


では、他者のことをもっと知りたいと思うのはどういう時でしょう?

進学などで新しい環境になって、新しい友達ができた時のことを思い出してみるのがよいかも知れません。

部活や趣味などの共通の興味がある事項があって、それらを通じて相互の信頼関係が生まれ、だんだん仲良くなっていったのではないでしょうか?


職場の同僚や上司、部下と友達になるべきとまでは言いませんが、お互いの共通事項である「仕事」を通じて、信頼関係を深めていくことが、共通言語の獲得に必要な基礎であることはお分かりいただけるのではないでしょうか。

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